定期的に発生する転売ヤー叩き。そのきっかけはNintendo SwitchやPlyastation、コロナ化のマスクなど、多岐にわたる。事が起こるたびにニュースになり、ネットではお祭り騒ぎ。普通なら自尊心がえぐられて病みそうなもの。でも、転売ヤーは消えない。それはなぜか。今回は自分の見解を述べていきたい。議論が永遠に終わることはないだろうけど、ここは敢えて突っ込んでいく。
転売ヤーの収入源は2つ
そも、なぜ転売ヤーがこの世に爆誕してしまったかというと、利益を得られるから。
自明だけれど、その具体的な利益の出し方は少し複雑。なので、ここで一度整理しておく。
転売ヤーが利益を得られるのは、以下が成り立つとき。世間一般に思いつくのは多分これ。
仕入れ値＜売却益
当然。で？ってハナシだけど、売却するときに発生するもう一つの収入源がある。それがポイント還元。楽天経済圏などを駆使すれば、仮に仕入れた商品が定価以下でしか売却できなかったとしても実質黒字化することが可能。
転売ヤーは必ずしも定価以上で売れるものだけをターゲットとしているわけではない。まとめると、
- 商品の売却時の収入
- ポイント還元
この2つが転売ヤーの主な収入源となる。
利益の得方（定価以下でしか売れない場合）
前述した定価以下で売却できなくても利益が発生する仕組みについてもう少し解説する。
仕入れ値＋売却手数料＞売却益の状態であれば、当然ながら赤字。しかしここでポイントという概念を考慮すると状況が変わる。もう一度言うが、転売において主な収入源は、仕入れ値と売価の差分と、仕入れ時に得られるポイントの２つ。
つまり、仕入れ値＋売却手数料＜売却益＋ポイントという関係になれば、利益を生めるというわけ。
例を初代Switchで示してみよう。楽天で仕入れた場合の条件例は以下で、
- Switchの定価は33,000円（税込）
- 売却益は27,000円（手数料など差し引き済）
- 楽天リーベイツで20％ポイント還元で6,600pt
- 通常ポイントはSPU10倍で3,3000pt（楽天ポイント参照）
- キャッシュレス決済ポイントは2％で660pt
ざっとこんな感じになる。売却益の27,000に違和感を抱いた人が多くいるだろうが、実際にこの値段で売却できた時代があったらしい。結局、ポイントを含めた利益は実質4,560円になる。これを10回繰り返せば約5万円の利益を得られる。高値で売れなくても転売ヤーは利益を得ることは十分可能である。
しかも、この想定は初代Switchの品薄が徐々に解消された時のシュミレーション。つまり、転売ヤー叩き祭りがおこるくらいの品薄状態であろうがなかろうが、転売ヤーは常に湧いてくるということ。食い扶持はそこいらにある。
定価以上で売れる状態の時だけ転売ヤーを叩くのはお門違い
ここから本題。
こんな感じで、転売ヤーは常にセッセとあちこちで商品を買っては利益を得ているが、ある時だけは世間から大バッシングを喰らう。
それが定価以上で売れてしまうほど需要が増大するか、供給が低下する場合の転売。Switch2で大論争が起きていることは記憶に新しいと思うが、私は転売ヤーを叩くのはお門違いだと思っている。
大前提、世の商品の値段は需要と供給によって決定される。
需要が大きくなれば価格が上がり、小さくなれば下がる。供給が大きくなれば価格は下がり小さくなれば上がる。これに値付けが対応できないと、転売ヤーが食らいつく。具体例が下記
- 需要が大きいのにメーカーが安く売る→転売ヤーが高値で売りさばく（例：Switch2、マスク）
- 供給が小さいのにメーカーが安く売る→転売ヤーが高値で売りさばく（例：PlayStation5）
つまり、転売ヤーがバッシング対象になってしまう諸悪の根源は、価格設定をミスったがために転売ヤーが定価以上で売りさばける環境を形成してしまったメーカーにある。
前述したが、転売ヤーは定価以下でしか売れなかろうが利益を得ることはできるし、365日やっていることは一緒。たまたま定価以上で売れる時に転売ヤーが目立ってしまうだけ。その時だけ転売ヤー憎しを唱えられるのはいくら何でも理不尽すぎる。
単に消費者が値段が高くて買えない理由を、目につきやすい転売ヤーに勝手に見出して責任を押しつけているにすぎない。ここまで来たら流石にかわいそうとすら思えてくる。
価格設定をミスったメーカーが悪い。これ以上でも以下でもない。
転売ヤーとの付き合い方
そんなことはわかってる！でも転売ヤーはウザい！！ってなっている人はどうすればいいのか。ここからは私が思う、転売ヤーとの上手な付き合い方を紹介していきたい。
それは、定価以下で売られている新品の商品をフリマサイトで購入すること。高単価の商品であればなおさらで、私も何度も転売ヤーの片棒を担がせてもらっている。具体的な購入商品は下記で、
- 家電製品（空気清浄機、スピーカー等）
- スマホ
これらはかなりオトクに購入できる商品の一例。共通するのは購入時に多額のポイント還元や割引を受けられるケースが非常に多いということで、
- 家電製品→楽天経済圏でのポイント還元がアツい or 家電屋の独自のキャンペーンを利用しやすい
- スマホ →乗り換えキャンペーンでの割引がアツい（4万円以上割引されるケースも） & ポイントバックが大量
これらを駆使して、定価以下で転売ヤーが出品してくれるから、それを買えばいい。さらに、購入時に私たちはフリマサイトのクーポンなどでさらに安く購入することができるから、これでWinWinの関係を築くことができる。損するのは会社だけ。会社なら、まあ、いいよね。。。
転売ヤーもポイント還元を受ける条件を満たすためにアレコレやってくれているから、手間賃として利益を得るのはむしろ当たり前。
実際私も13万円したGalaxy S24をクーポンを駆使して8万円で入手した。まさに転売ヤー様様。
一時期、定価16万円のGoogle Pixel 9Proが11万円でフリマサイトに出品されていたが、それは11万で売ったとしてもそれ以上のポイント還元を転売ヤーが享受できているから、転売ヤーも消費者もニッコニッコニ―。これでいいじゃないか。
転売ヤーは消えない、だからうまく付き合おう
以上、転売ヤーの生態とその付き合い方について紹介した。
転売ヤーは普段は我々に利益を与えてくれているから、価格が高騰している時だけその責任をなすりつけず、うまく付き合っていることが肝要。
例えるならば天気みたいなもので、たまに台風をよこしてくるけど、普段はお日様を我々に届けてくれる。だから、ありがたく思っとこうってこと（比喩下手でごめん）。
なんなら、一度転売をやってみたらとすら思える。なぜなら転売は最も初歩的な経済活動の一つだから。試しに使わなくなったものをメルカリで売るだけでも、大きな一歩だと思う。
いずれにせよ、転売ヤーは恨むべき存在ではないし、むしろ愛すべき存在とすら感じる。自らの利益のために、転売ヤーにはこれからも最期まで仕入れに精を出してほしい。
以上、検討を祈ります！
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