体験談・備忘録

【大学院生の収入源】医療系大学院生は何で食っているのか【病院パート・TA・バイト】

世間から見れば、働きもせず研究室にこもっている謎の生き物だろうから、当然の疑問だと思う。そして、進学したい気持ちはあるのに、お金の不安で迷っている学部生も一定数いるはずだ。

今回は、医療系大学院生のリアルな収入源を、現役の当事者が晒す。収入源は主に3つ。免許を活かした病院のパート、大学が用意してくれるTA、そして普通のバイト。これにおまけの個人事業がくっつく。組み合わせれば、意外となんとかなる。順に説明していく。

収入源①:病院のパート。免許組の特権

医療系院生の収入源として、まず柱になるのがこれ。理学療法士なり看護師なり、免許を持って院に進んだ人間の特権である。

探し方は、求人サイトを漁るというより、大学の先生が紹介してくれることがほとんどだ。先生たちは地域の病院や施設とつながっているので、

「週2で来てくれるPTを探してる病院があるけど、どう?」

という感じで話が降ってくる。病院もだし、老健(介護老人保健施設)とか、探せば割とある。

時給はまちまち。施設や地域でだいぶ違う。ちなみに私は病院で週2日・1日7.5時間、時給1,400円で働いている。この時給の安さについて言いたいことは山ほどあるが、それは別の記事で散々書いたのでそちらに譲る。

金銭面以外のメリットもある。臨床の感覚が鈍らないこと。研究ばかりしていると患者さんと接する機会が消えるので、週に何日か現場に立てるのは、医療職としてはありがたい環境だったりする。

収入源②:TA。大学が用意してくれる仕事

TA(ティーチングアシスタント)とは、学部の講義や実習の補助をする学内バイトのこと。大学院生にはこれをやらせてくれる。

というか、正確には「やらせてくれる」というより、大学院生が将来教員や研究者になったときを想定して、教育経験を積ませるために制度としてやらせているらしい。実際、各大学のTA制度の説明には、院生自身の教育力を高めて将来のキャリアにつなげる、という目的がだいたい書いてある。金をもらいながら教育経験が積める、と考えれば悪くない話だ。

単価は大学によってまちまちで、時給1,000〜1,500円台のところもあれば、1コマ2,500〜4,000円という設定のところもある。ちなみに私の大学では時給が1,510円に引き上げられた。居酒屋バイトを超えてきた。意外といい。

私が担当しているのは解剖実習のTAで、収入は年6万円ほど。正直、稼ぎの柱にはならない。TAの収入は月1〜2万円程度が一般的と言われていて、これだけで食っていくのは無理がある。ただ、学内で完結するので移動時間ゼロ、研究の合間に働ける、教える経験が積める、と時間効率は抜群にいい。院生のスキマ収入としては優等生だと思う。

収入源③:普通のバイト。院生になっても続けられる

3つ目は、身も蓋もないが、普通のバイトである。

私は学部生時代からよくしてもらってる居酒屋で、週1〜2回続けている。時給はまあふつう。ただし賄い付きなので、実質的な時給はもう少し高い。夕食が一食浮くのは、自炊派の貧乏院生には地味に大きい。

院生になってから新しくバイトを探すのは、研究のスケジュールが読めないぶん少しハードルが上がる。その点、学部時代からの店なら、こちらの事情をわかった上でシフトを組んでくれる。長く働いた店は資産である。大事にしよう。

あと、これは副次的な効果だが、医療とも研究とも関係ない場所に週1で立つのは、精神衛生上けっこういい。研究で頭が煮詰まっても、酒を運んでいる間は何も考えなくて済む。

おまけ:個人事業(ブログとかYouTubeとか)

最後に、おまけ。ブログやYouTubeなどの個人事業だ。

おまけ扱いなのは、私自身がまだ偉そうに語れる立場にないから。ご覧の通り私はこのブログを運営しているが、収入は正直まだショボい。日給2円とか。大正時代?

それでも続けているのは、これが労働時間と収入が比例しない、唯一の柱だから。パートもTAもバイトも、働いた時間分しかお金にならない。ブログは、書いた記事が資産として残り、寝ている間も(理論上は)働いてくれる。細くてもいいから、時給の世界の外に柱を一本育てておきたい。そういう実験として、気長にやっている。院生の収入源としては、期待せず、でも種は蒔いておく。それくらいの距離感がちょうどいいと思う。

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最悪、奨学金がある

ここまでの3本+αを束ねると、私の場合は病院パート、居酒屋、TA、そして親からの仕送りで生活が回っている。内訳は家計簿の記事で晒した通りだ。

それでも「お金が不安で進学を迷う」という人へ。実体験から言わせてもらうと、意外となんとかなる。医療系は免許という保険があるぶん、院生の中でもかなり恵まれている方だ。パートの単価は学生バイトより高いし、仕事も先生経由で見つかる。

そして、最悪、奨学金がある。大学院には日本学生支援機構(JASSO)の第一種奨学金(無利子)があって、修士なら月5万円か8万8,000円を選べる。しかも大学院の第一種には「特に優れた業績による返還免除」という制度があり、在学中の研究業績次第で、全額または半額の返還が免除される。つまり、頑張れば実質もらえるお金に化ける可能性がある。借金と聞くと身構えるかもしれないが、無利子で、免除の道もある借金は、世の中の借金の中ではかなり良心的な部類だ。

博士に進むなら、学振(日本学術振興会の特別研究員)という、研究しながら月20万円をもらう道も一応ある。狭き門だが、私も出すつもりでいる。

何とかなる、たぶん

お金を理由に進学を諦めるのは、正直もったいない。なんとかなるし、なんとかする方法は、ちゃんと用意されている。

私がなんとかなってるし。多分、おそらく、十中八九。

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参考文献・データ出典

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