節約

【車社会の北陸で実践中】スーパーカブ50で車社会を生き抜く【資産形成】

地方は車社会だ。私の住む北陸も例外ではない。一家に一台どころか、一人一台が当たり前の世界である。

そんな土地で、私は車を持っていない。移動の主役はスーパーカブ50だ。原付である。

周りには「不便じゃないの」とよく言われる。だが言わせてほしい。車を持たずカブで生活することは、車社会だからこそ効く、強力な節約手段だ。

私の体感で、カブの維持費は車の10分の1以下だ。浮くお金は年間で数十万円にもなる。今回は、実際に北陸でカブ生活を送っている私のリアルな費用を晒しつつ、車の維持費と比べてみる。地方で車を持つか迷っている学生や若手に、ひとつの選択肢として読んでほしい。

維持費は年約3万円

私の相棒は、1995年製のスーパーカブ50。キャブレター式の、いわゆるレトロなモデルだ。

購入は、乗り出しで18万円だった。正直に言うと、これは少し高くついた。50ccバイクは法規制の関係で新車の生産が終わる流れにあり、その煽りで旧車がプレミア化している。その値上がりを,もろに喰らった格好だ。とはいえ、リセールも悪くないだろうし、何よりこのレトロな見た目が好きなので、ここは割り切っている。

維持費の内訳は下記で

  • 任意保険:年間およそ1万円(こくみん共済)
  • 軽自動車税:年間2,000円
  • ガソリン代:年2,000㎞、燃費40㎞/L、ガソリン代160円/L換算で年8,000円
  • オイル交換など:自分でやれば数百円から千円程度

正直、燃費の正確な数字は把握していない。が、年間の維持費はざっくり数万円の世界に収まる。税金と保険を足しても、車1台の税金にすら遠く及ばない。駐車場代もかからないから、正直タダみたいなもん。

車は税金の塊、金喰い虫

では、比較対象の車はどうか。新車・中古どちらで持つにせよ、維持費そのものは大きくは変わらない。最新の相場を調べてみた。

いちばん安く済むはずの軽自動車でも、年間の維持費は車検のある年で39万〜42万円、車検のない年でも34万円ほど(駐車場代を月2万円で計算した場合)とされる。これはあくまで一例で、駐車場代を抑えればもう少し下がるが、それでも年間20万〜30万円台は覚悟が要る。

内訳を見ても、カブとは桁が違う。軽自動車税(種別割)は年額一律10,800円(2015年3月以前の登録車は7,200円)で、私のカブの軽自動車税2,000円の5倍以上。任意保険も、軽自動車でおよそ年3万5000円、普通車なら年7万円程度が相場とされ、私の年1万円とは比べものにならない。

さらに車には、カブにはない大物の出費がある。車検だ。軽自動車の車検費用は、業者に依頼すると65,000円〜85,000円程度かかる。これが2年に一度やってくる。加えて、ガソリン代も車格が大きいぶん膨らむし、地域によっては駐車場代も乗ってくる。

ちなみに私のカブには、車検がない。250cc以下のバイクは車検が不要だからだ。車は利権のカタマリ。こわひ。

さらに、買い替え費用を見越すと年の維持費は月6万円、年70万円以上かかるそうな。ヤバ・スンギ。

浮いたカネはS&P500にZENツッパ

数字を並べると一目瞭然だ。ガソリン代、買い替え積み立て費を除いて、車が年間20万〜40万円かかるのに対し、私のカブは年間数万円。ざっくり10分の1以下である。

仮に、車なら年間30万円かかるとしよう。カブなら3万円前後。その差、年間27万円。これが車を持たないことで浮くお金だ。

貧乏学生、新社会人にとって、年間27万円は途方もない金額である。私の固定費はだいたい月5万円弱なので、半年ぶんの生活費が、車を持たないだけで浮く計算になる。

浮いたカネはS&P500に全額ぶち込む。

S&P500に積み立てれば、淡々と資産が育つ。車移動なら温存できたはずの体力を捧げることで。資産は血肉でできている(神崎、20XX~)。

移動手段をカブにするだけで、これだけの差が出るのは事実だ。

車体価格で見ても、私のカブは18万円。プレミア化で高くついたとはいえ、軽自動車を新車で買えば乗り出し150万円以上は当たり前だ。ここでも10倍近い差がある。

若いうちなら、正直バイクだけでいい

ここまで読んで、「でも車がないと困る場面があるだろう」と思う人もいるはずだ。

これは持論だが、学生のうちは本当に車が必要な場面なんてそんなに多くない。

通学も、買い物も、バイトも、原付で事足りる。荷物が多い日も、原付は積載性が高いので意外と何とかなる。どうしても車が要るとき、たとえば大きな家具を運ぶとか、遠出で大人数で移動するといった場面は、年に数えるほどしかない。

そういう「たまに」のためだけに、車を所有して年間数十万円を払い続けるのは、どう考えても割に合わない。必要なときだけレンタカーやカーシェアを使えばいい。年に数回レンタカーを借りたところで、車を持つ維持費には遠く及ばない。所有ではなく、必要なときに借りる。これが、学生にとって一番コスパのいい答えだと思っている。

極論自転車だけで大学4年間を過ごしてもOK。私はそうした。その方が今後の車のありがたみを感じるだろうから。今の学生は金持ち杉。

「車の乗り出し100万かかったわー(笑)」って平気で言ってる。それがいかに異常か早く気付くべき。実家が太い家は羨ましい。泣いてないよ。

冬場の逃げ道はバス。ただし、これは運がいいだけ

とはいえ、バイクには明確な弱点がある。冬だ。

雪や雨の日、原付に乗るのは普通に危ない。北陸の冬は特にそうだ。ここは正直に弱点として認める。

ただ、私の場合は逃げ道がある。バスだ。自宅から勤務先までは、バスが通っている。運賃は片道620円。高いけど、車の維持費を考えれば誤差。雪でカブに乗れない日は、これに乗ればいい。車社会の地方にしては、私の使うバス路線はそれなりに発達していて、本数も困らない程度にはある。だから、冬場もカブとバスの使い分けで乗り切れている。

ただし、これは私の住環境がたまたま恵まれているだけ。同じ地方でも、バスが1日に数本しかない地域や、そもそも路線がない地域はいくらでもある。そういう場所では、冬の足を確保できず、バイクだけの生活は成立しないかもしれない。

だから「原付最高、車は要らない」と全員に言うつもりはない。バスという逃げ道があるかどうかは、完全に地域差だ。自分の住む場所で、冬の代替手段があるかは、必ず確認してほしい。私はたまたま運が良かった、それだけの話である。

それでも、これができるのは「今のうち」だけ

最後に、もうひとつ正直なことを書いておく。

カブ一台で生きるこのスタイルが通用するのは、おそらく私が男で、独身の今のうちだけだ。

雨の日も雪の日もカッパを着て原付に跨がる生活は、体力と気力がある若いうちだから許される。将来、結婚して家族ができれば、子どもを乗せる必要も出てくるし、家族の安全を考えれば車は事実上必須になるだろう。そうなれば、私もおとなしく車を買う。

つまりこれは、ライフステージ限定の節約術だ。一生カブで通せと言っているのではない。身軽な独身時代という、人生で一番コストを圧縮できる時期に、移動費という大きな固定費を削り倒す。その効果が一番大きいのが、今なのだ。

車社会で車を持たない。一見、無謀で不便に見えるこの選択は、条件さえ合えば、年間数十万円を生む立派な節約になる。地方で車を持つか迷っている学生がいたら、選択肢のひとつとして、カブを思い出してみてほしい。

数字の話ばかりしたが、何よりカブは乗っていて楽しい。節約になって、しかも楽しいなら、乗らない手はないと思っている。

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