Yahooフリマやメルカリで出品されている新品スマホはほぼ例外なく定価以下の値段で売られている。定価で販売していれば当然公式サイトで買いたいと思うのは当然の思考だし、出所が怪しいスマホなんて買いたくないのが普通。しかも儲けなんて出るの?ってハナシだし。
しかし、これだけ日々大量に新品スマホが出品されているのには理由がある。それを今回は考察しようと思う。
結論:NMPによるスマホ販促割引の現金化

やり方はいろいろあるが、一番メジャーな方法はNMP利用によるスマホ販促金割引の現金化である。
ここでいうNMPとは、「Mobile Number Portability(携帯電話番号ポータビリティ)」の頭文字を取った言葉で、携帯電話番号を変更することなく他の携帯電話会社の通信サービスに乗り換えることができる制度のこと(Wiki調べ)。
この際に大手キャリアが行っているのが乗換キャンペーン。


上のキャンペーンはあくまで一例であるが、大小あれど、どの携帯キャリアも例外なく乗換の販促金をばらまいている。これらの割引やポイントバックを現金化するために使われているのがYahooやメルカリなどのフリマサイト。定価より少し安く出品することによりオトク感を演出し、買ってもらうことで現金化するという流れ。
例えば、
6万円のスマホを回線乗換で2万円引きの4万円で仕入れる
→フリマサイトで5万5千円で売る。
→1万5千円を現金化

Google Pixel9 Proは、加えてストアクレジットや下取り割引があるから、大幅な値崩れを起こしても出品者は利益を得られる。ハッキリ言って異常な状態。
携帯会社が割引をしまくる理由

一部の人間に乗り換えキャンペーンをいいように使われているのに、なぜ割引をやめないのか。それは大半のユーザーが割引いたお金以上の通信費を払ってくれるから。
あの有名なAhamoを例に挙げると、
- iPhoneを乗換キャンペーン33,000円引きで購入する
- 月2,978円の通信費
これらの条件をもとに何か月で携帯会社は割引をペイできるかというと、
回線を利用する月数をy(yは1以上の整数)として
2,978円(通信費)× y(利用月) > 33,000(割引価格)
y > 11.0808・・・ よって、y≧12(利用月)
ほぼ一年で取り返せるという計算。そしてほとんどの人が回線を一年以上は使うだろうから、トータルではプラスに転じるというわけ。撒き餌をA5ランク肉にしてでも利用者を釣り上げたい理由がよくわかる。

そして、その制度を悪用?して端末売却益でウハウハ言っている層は全体のほんの少数。乗換キャンペーンの副作用以上に利益が生まれるのだから、携帯キャリアがいつまでも販促金をばらまいているというわけ。
流石のキャリアも怒り出した。

但し、最近の携帯キャリアがここに来て堪忍袋の緒が切れた。利用1年未満の解約や、利用実態のない契約に関しては、違約金が発生するように。


いやいや、手数料が発生するといってもたった1,000円じゃん?って思う人もいるかもしれないけど、私は携帯キャリアからの大きな警告と捉えている。
乗り換えキャンペーンを使いまくる乞食へのけん制は当然のこと、再度キャンペーンを利用使用しようとした場合は契約させない、というメッセージが込められていると思う。
短期間での回線契約を解約した場合、数年はブラックリスト入りするのは、公式には発表されていないが有名な話。それを今回は明文化したような印象。人格を与えたら、
みたいな感じだろうか。
だが、乗り換え厨は撲滅できない。

それでも、キャンペーンに乗っかる人はいなくならないと考える。
なぜなら、そのリスクを侵してなお利益が得られるから。スマホを買ってくれる人がいるから。需要がなくならない限り、そして、販促金がなくならない限り、この流れは続くだろう。
フリマサイトの新品スマホは買い

というわけだから、犯罪に関わった機種が出品されている可能性は極めて低いし、フリマサイトの新品スマホは買っても問題ない。何なら自分が売る側に回ってもいい。
ただし、乗換キャンペーンは直接受けた方が恩恵が大きいから、せっかくなら自分の手で乗り換えてほしい。
別に乗り換えの時にスマホを買う必要はない。スマホを買わなくても、2万ポイントをもらえるキャリアがたくさんある。菅政権の献身ではるかに乗り換えのハードルが下がったし、ちょっとしたお小遣い稼ぎの感覚で一歩を踏み出せばいいと思う。
以上、検討を祈ります。
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